年末年始は過去 365 日間の成功と成果を祝い、気持ちも新たに新年を迎える良い機会です。
でもいつも、良いことばかりとは限りませんよね。
ここでは、よく知られているブラウザが 2021 年に「やっちまった」失敗について見ていきましょう。まずは、Edge から!
1. Edge は選択の自由を軽視
Edge は自主的にユーザーに利用してもらうよう促す代わりに、なかば強制的に利用させるような方法に訴えてきました。
好きなブラウザを Bing で探そうとすると、まず最初に目にするのは、「Edge を利用すれば、新しいブラウザは必要なし!」というメッセージです。
そして、好きなブラウザをインストールするのにインストーラをダウンロードしようとすると、Edge は「ご利用のデバイスに害をもたらす」として、ダウンロードをブロックしようとします。
さらには、Edge 以外のブラウザをデフォルトのブラウザに変えようとすれば、Edge をチェックするようにアピールするポップアップが表示されます。
2001 年に渦巻きの青いアイコンを間違えてクリックしてしまった記憶がよみがえるかもしれませんが、デフォルトブラウザを Edge に切り替えるように促すダイアログが表示されます。
Microsoft さん、これはどうなんでしょう。
2. Chrome は FLoC でプライバシーを無視
長い間、スクービー・ドゥーに出てくる悪人のようにサードパーティー Cookie がウェブサイトの裏でコソコソと動き回り、データを可能な限り盗み出し、一番高く買いとる企業に売りつけるということが行われてきました。
Chrome がブラウザからサードパーティー Cookie を廃止するというニュースは歓迎されたものです。一方で、ではそのテクノロジーをどのようにすり替えるつもりなのかという避けられない疑問もわき上がりました。
2021 年に発表された計画は、サードパーティー Cookie を使用したプライバシーを侵害するトラッキングとユーザーのプロファイリングに代わって、ブラウザ内にトラッキングとプロファイリングを構築する「Checks notes」に置き換えるというものでした。
データを収集する、この新しいベンチャーは FLoC(The Federated Learning of Cohorts、「コホートの連合学習」)と呼ばれていますが、今のところ、この手法を歓待している人は誰もいないと言えるでしょう。
この方法では対象となるブラウザがたった 1 つであるため、サードパーティー Cookie に依存している企業にとっては制限が多すぎます。同時に、プライバシーと平等性が悪意をもって侵害されるため、消費者からも敬遠されます。
考え直して、Google!
3. Firefox の UI デザインの変更が不評
昨春に Firefox がブラウザの新しいアップデートについてつぶやいた時、フォロワーには「新しく生まれ変わる Firefox に乞うご期待!」と宣言していました。
ところが蓋を開けてみると、シンプル、ミニマリズム、新しいタブのデザインに焦点を合わせたという新しい Proton UI には、多くのユーザーが戸惑ったようです。
新しいバージョンのブラウザには、一貫性のあるダークモードや、プライベートブラウジング時の Cookie の保護の改善など、多数の良い点があったものの、UI の変更によってネガティブな点のみが強調されてしまったと言えます。
タブがツールバーの上に浮かぶようなデザインは膨れ上がったように感じられ、「合理化された」ポップアップやメニューはシンプル過ぎるという声が多く上がったようです。
大失敗とは言えないものの、残念なアップデートと思う人もいたようです。
4. Vivaldi は相変わらず iOS 版を提供できず
「いつ iOS で Vivaldi を使えるようになるんですか?」というのが、Vivaldi がよく受ける質問の一つです。そして、基本的に私たちの回答は「事情が複雑で…」でした。
多くの人はご存知かと思いますが、iOS 版の構築には同じコードは使えません。App Store でのブラウザはすべて、WebKit で構築されることが Apple 社により求められているため、Vivaldi も一からコードを作成しないといけないのです。
残念ながら、私たちのチームは規模が小さいため、2021 年中には iOS 版 Vivaldi を実現することができませんでした。
でも望みを捨てたわけではありません。2022 年にはもしかしたら、皆さんを驚かせることになるかもしれません。🙊
5. Safari のアドレスバー変更でユーザーが混乱
iPhone ブラウザのアドレスバーのアップデートがどれほど混乱をもたらしたかは、Google で「iPhone アドレスバー」と検索すれば簡単にわかります。
そこで目にするのは、アドレスバーを元の場所に戻す方法を説明する数々の記事、ヘルプページ、そして動画など。
多くのユーザーが、スクロールする時にアドレスバーに触ってしまうと不満をもらし、ベータ版では、アドレスバーがページの機能をブロックしてしまうために一部のウェブサイトが利用できなくなりました。
この記事の中では取るに足らない問題のように見えるかもしれませんが、ユーザー体験の全知全能の神と自負する Apple 社にとっては大きな失敗だったと言えるでしょう。
今年、皆さんが Vivaldi やブラウザ業界に期待することは何でしょうか?
原文 – The biggest browser fails of 2021
訳 – Mayumi Ozawa
Team Vivaldi
Twitter | Facebook | Instagram | note